【喪服とは?】
お通夜やお葬式における女性の服装マナーをご紹介
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1. 喪服とは?
ご家族やお知り合い・親しい人などが亡くなったことを知らせる訃報は、突然に届くこともあります。以前は喪服などを準備しておくのは失礼などと言われましたが、今の時代は、心構えと共に準備をしておくのもマナーです。
生前のお姿を偲び、ご冥福をお祈りしましょう。その悲しみや亡くなった人を弔う気持を表す服装が喪服です。お通夜・お葬式・告別式などに参列するときには、喪服を着用して故人の死を悼み、ご親族への哀悼の意を示しましょう。
日本のお通夜・お葬式での服装は、男性はブラックスーツに黒のネクタイ。女性は全身「黒」の服装であることが一般的です。
2. 喪服と礼服の違いは?
黒い服は喪服・礼服・ブラックフォーマルと呼ばれますがその違いはあるのでしょうか。
人が集うフォーマルな場に着用する服をフォーマルウェア・礼服と言います。
日本のフォーマルの歴史から紐解いてみると・・・。冠婚葬祭の席では着物を着ていましたが、昭和40年代に黒の礼服・ブラックフォーマルウェアが誕生しました。結婚式や卒入学式などのお慶びの席に着用する服として、また、「もしものとき(お悲しみの席)にも」着用できる装い(喪服)として誕生しました。
今ではブラックフォーマル=喪服という印象がありますが、喪の席以外でも着用いただける礼服なのです。今でもお祝いの席で大活躍する礼服です。喪服と礼服に違いはなく、お悲しみの席に着用すると喪服と呼ばれるのです。
3. 正喪服・準喪服・略式の違いとは?
ご葬式、お通夜には、故人をお見送りする大切な場ですので、きちんとした服装で参列したいものです。私の服装は正式?正喪服?と不安になることがあるでしょう。正喪服・準喪服・略式(略喪服)について、しっかりと理解しておきたいところです。
- 正喪服
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最も格式(正式度)の高い場面で着用する服装のことを言います。男性がモーニングコートを着用するような場面です。皇室のご葬儀や大規模な社葬の喪主の方などでお見かけします。
女性は黒の肌の露出が少ないワンピースやスーツ・アンサンブル(ワンピースとジャケット)のスタイルです。 - 準喪服
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一般的なご葬式、お通夜3回忌までに着用する喪服のことで、男性がブラックスーツに黒のネクタイを着用されている場合の服装です。
女性は黒の肌の露出が少ないワンピースやスーツ・アンサンブル(ワンピースとジャケット)・パンツスタイルです。 - 略式(略喪服)
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3回忌を済ませた後の法要や急な弔問のときの装いで、男性はダークスーツの時の装いです。
女性はグレーや紺のスーツ・リクルートスーツなどでインナーとアクセサリーは黒で統一した装い・または、準喪服をドレスダウンした装いもお勧めです。
正喪服・準喪服・略式の違いは、その式の規模、参列される方のお立場で変ります。日本の一般的なお葬式は、準喪服で行なわれています。お通夜にも準喪服を着用の方がほとんどです。
また、より正式度の高い装いは失礼にはあたりませんので、略式のときでも準喪服を着用されることをお勧めします。
4. お通夜・お葬式のマナー?
お通夜・お葬式に参列をするときに気をつけておきたいマナー。
それは一言で言えば喪服に「手を抜かないこと」です。お通夜・お葬式は故人をお見送りする大切な儀式であることは言うまでもありません。参列されている方々もお悲しみのお気持に沈んでいることでしょう。
「黒でまとめれば大丈夫」などと簡単な装いで出かけると、行った先で後悔! こんなことの無いように、キチンと喪服を着用して行く事がマナーであり安心にも繋がります。喪服の基本をしっかり理解して参列しましょう。
4-1. お通夜・お葬式の服装?
喪服の着こなしのマナー基本ポイントは、5つあります。
この基本を抑えておけば、マナーにかなった装いとなります。
- 全身が黒であること
- 肌の露出が少ないこと
(襟刳りがデコルテを隠していること・肘膝が隠れること) - シルクまたは、シルクのような素材であること
(トリアセテート・ポリエステル・レーヨンなど) - 華やかな印象にならないこと
- 着ているだけでお悔やみをお伝えするお仕立てであること
喪服は、フォーマルな場での装いです。カジュアルな印象にならない事もマナーです。 綿・麻・ニットなどはできるだけ避けて、フォーマルウェアとして創られたものを選ぶ事をお勧めします。
4-2. お通夜・お葬式の靴・鞄
喪服を着用するときは、靴・バックともに黒である事がマストです。
フォーマルな席で着用する喪服は、オートクチュールのお仕立てからスタートしています。
オートクチュールとは高級お仕立てのこと。一着ずつ丁寧に創られるお仕立てのことです。オートクチュールのドレスは,一反の同じ布からドレス・コート・帽子・バック・靴を創ります。
この名残から喪服には黒の布のバックを持ちます。バックはお手元のアクセサリーですから、最小限の物を入れて手にするのがエレガントです。入りきらないお荷物は黒のサブバックにいれて持ちましょう。
靴も黒の布製の方が美しい装いです。最近は撥水加工を施した良い靴がありますので一つ揃えておくと重宝します。
4-3. お通夜・お葬式のストッキング
喪服では、基本として黒のストッキングを着用します。ナチュラルなストッキングはNGではありませんが、あまりお見かけしないので黒をお勧めします。
黒のタイツでも構いません。喪服のスカート丈が膝くらいのときは、少し濃い目の黒のストッキングやタイツの方が美しく見えます。全体のバランスでお選びになることをお勧めします。
4-4. お通夜・お葬式のメイク・髪型
お通夜・お葬式でのメイクは華やかにならないように注意します。ノーメイクでは失礼に当たりますので、ファンデーションで肌を整えて、アイメーク・リップは色を抑えたものにしましょう。
髪型は、ロングヘアは後ろの低い位置で束ねます。バレッタやリボンを使うときは、光らない小さめな黒のものをえらびます。金髪や茶髪はできれば抑え目のお色に変えたいですが、間に合わないときは、黒のトーク帽や黒のリボンで華やかさをトーンダウンすると良いです。
5. 弔事の場における注意点
お通夜・お葬式への参列は、亡くなった方への哀悼の意(死を悼み悲しむこと)を現す場です。故人と人生を共にした参列される方々が、それぞれの気持を胸に祈りを捧げる場でもあります。
マナーとして、その場の雰囲気に思いを位置して、しめやかに目立たぬように控えめであることも大切です。その場にふさわしくない服装や立ち居振る舞いには注意が必要です。
「殺生」を連想するものなどは控えるとよく言われますが、服装の成り立ちから考えると
殺生したものだから、皮のバックや毛皮はNGということはありません。NGと言われるのは、華やか過ぎること。毛皮は屋外で着用するものであることが理由です。
フォーマルウェアはオートクチュールのお仕立てがルーツであることから、バックは布製のものを持つほうがふさわしいのです。冬場のコートなどでファーがついていたら、会場の入り口でコートを脱いで見えないように丸めておくことをお勧めします。
最近は葬式のカタチも変化していますし、おふるまい(お通夜の後のお食事)なども多様化してきています。ただし、周りの方が気にするようなことをわざわざする必要もありませんね。
金属がついていたら光っていたりなど、華美でないかどうかを目安にしてください。
周りの方がどう感じるかに注意を払うのがマナーです。
5-1. アクセサリーはつけてもよい?
アクセサリーをつけることでフォーマルの装いは完成します。お通夜・お葬式の席でアクセサリーは華やかになるから避けたほうが良いと思う方も多くいらっしゃいますが、ここはフォーマルウェアの着こなしマナーとして大切なところです。注意しましょう。
白パールやグレーパール・オニキス・ジェットなど、喪の席にふさわしいアクセサリーはつけることで、フォーマルの装いは完成します。
金属アレルギーの方や夏場の暑い時期などはブローチだけでも着用することをお勧めします。喪服にアクセサリーはマストです。
5-2. 肌を露出させない
- ・襟元はデコルテが隠れていること。
- ・腕は肘が隠れていること。
- ・丈は立った時に膝頭がほぼかくれていること。
以上がポイントです。
喪服の丈はイスに座ってみて確認しましょう。
お膝が丸見えにならないか注意して。
丈はトレンドによって左右されますが、膝の隠れる長さを選んでおくことをお勧めします。
5-3. ネイルアートは落とす
最近流行のネイルアートは華美であれば、落とす事が基本マナーです。「手袋をすれば大丈夫」などといわれていることがありますが、ご葬儀という式の意味を考えれば、ご理解いただけると思います。指先は以外と視線を集めますので注意が必要。
とはいえ、落とす時間がないなど仕方の無いときは、手袋で覆うこともマナーの範疇。派手な爪でうかがうよりも配慮があることかと思います。
「手袋をしていればいいや」ではないことをご理解ください。手袋着装しているときのお焼香は、手袋を外して行ないます。
6. ハンカチや数珠などの小物について
お通夜・葬式への参列では小物への注意も必要です。色は黒・地味なものなどフォーマルの席にふさわしいものを選びます。数珠や数珠入れ・袱紗・ハンカチ・ストッキングは、フォーマルの喪のバックと一緒に保管しておきましょう。いざというときに安心です。
6-1. 数珠はどんなものがよい?
数珠・念珠は、仏式のご葬儀のときに手を合わせるときに使います。多くの宗派でも使える片手念珠をひとつそろえておくと良いでしょう。
色や珠の種類に区別はありませんので、手の大きさに馴染む控えめのものを選びましょう。
6-2. ハンカチの色は?
お悲しみの席ではハンカチは必須アイテムです。涙や汗を拭く事はもちろんですが、汚れの目立ち易い喪服やバックなどの持ち手をハンカチでカバーしたり、着席時に膝に敷いたりと重宝します。色は白か黒などの地味なものが良いでしょう。
最近は黒のハンカチも増えてきました。涙用とそれ以外と2枚用意しておくと良いです。
6-3. 袱紗の色は?
袱紗は、お香典や仏前の金封を包む布のことを言います。
昔はどなたかに贈り物をするときは、きれいな布で包んでお渡しをしました。その名残からお香典や仏前の金封を包む袱紗が重宝されています。色は特に決まりはありません。
お通夜・お葬式の受付でバックから取り出したときに違和感のない地味目のものが良いです。ピンク・ブルー・紫など、上品な色目の物を選びましょう。
6-4. 傘の色は?
お悲しみの席は、お通夜・お葬式だけでなく、ご出棺をお外で待ったり、納骨でお墓に伺ったりと様々な場面があります。雨と日傘を兼用した傘も用意しておきたいアイテムの一つです。傘は、色は黒や紺などで地味な物を選びます。最近は傘の柄が黒の物もあります。トータルで用意しておくと安心です。
6-5. 親族のお葬式にはエプロンも持参
ご親族や近い立場の方のお通夜・お葬式では、様々なお手伝いをする場面があります。ご遺族の方々にゆっくりとお別れをしていただくお時間を作るためのお手伝いは進んでしたいものです。そんなとき、黒のエプロンが役立ちます。ご結婚されるお嬢様に喪服と一緒にご用意される方もいらっしゃいます。
結婚先のご不幸の際に、黒のエプロンでお手伝いをしたら気の利く方とお褒めにあずかったというお話しもあります。探そうと思うとなかなか見つからない黒のエプロン。ご結婚のお支度にもおすすめです。
7. まとめ
喪服について、着こなしマナーやや喪の席での小物などについてご紹介してきました。
お通夜・お葬式では、故人を悼み、その親族のお気持を察するという配慮が大切な場です。
喪服をきちんと着用して参列されることは、「お悔やみの気持」を伝えることになります。
ご遺族には「お忙しい中、きれいな装いで参列くださった」と、気持が伝わることでしょう。
そのお気持を簡略化することなく、喪服を装いたいものです。